初めてのことというのは、何でも困ってしまうものです。
葬儀の参列も例外ではありません。
服装、不祝儀袋、香典の金額、参列した時に遺族にかける言葉、仏式なら焼香の方法、数珠のこと…さっぱり分かりませんよね。
そこで、初めて葬式に参列するが、どうしていいものやらさっぱり分からないという方(若い方)のために簡単なアドバイスをします。
まず用意するもの 喪服
まず喪服が必要です。
専用の喪服は男性用も女性用も安いものではスーパーやネットショップにおいて数千円で購入できます。
男性は黒ネクタイも必要です。
初めて葬儀に参列する方はたいてい若い方だと思われますので、必ずしも黒の専用喪服である必要はありません。
持っている衣装の中から黒系やグレー系の地味でフォーマルな雰囲気に近いものを選んでも構いません。
まず用意するもの 不祝儀袋と香典に包むお札
次に不祝儀袋を用意しなくてはいけません。
「御霊前」と印刷された袋を買いましょう。
なぜなら、「御霊前」は浄土真宗を除く仏教のほとんどの宗派、および、ほとんどの宗教で問題ないほぼオールマイティの表現だからです(霊を否定する宗教もあるかもしれませんがそれは例外中の例外です)。
近くのコンビニやスーパーで手に入ります。
その時一緒に薄墨の筆ペンの購入も忘れないようにしましょう。
不祝儀袋と筆ペンを買って来たら、袋に薄墨の筆ペンで書かねばならないことがあります。
オモテに自分の姓名を書きます。
ウラ側または中袋の記入欄に金額や住所、名前などを書きます。
祝儀は幸せが濃くなるように濃く、不祝儀は涙で擦る墨が薄くなったという悲しみを表した習慣だと思われます。
現代でも薄墨で書かないと「非常識だ」と見下す人もいますから気をつけましょう。
どう思われても構わないという人は濃く書いても構いません。
香典の相場
その前に袋にいくら入れるか考えねばなりません。
2019年現在の香典の相場(目安)は、
同僚・友人・知人 5000円
両親・親族 5万円
初めての葬儀ということで、20代を想定した金額です。
なお、お札はなるべくピン札と呼ばれるシワのないものを用意します。
数珠
数珠はあったにこしたことはありませんが、なくても構いません。
数珠がないなんてと快く思わない人もいなくはありませんし、
余裕があれば今後のこともありますので、この機会に購入しましょう。
葬儀でのあれこれ
仏式の葬儀には通常、通夜と告別式があります。
そのいずれか、あるいは両方に参列します。
初めて葬儀場に赴いた時、受付がありますので、係の人に会釈して、香典(不祝儀袋)を出します。
通夜と告別式の両方に参列する場合は、通夜では「お夜食代」として三千円ほど包み、告別式であらためて香典を包むこともあります。
正式には袱紗に包んだ不祝儀袋を袱紗から出して渡すのですが、現代では袱紗は不要かもしれません。
式場に入り、遺族の方に会ったら、
「この度はご愁傷さまです」
と挨拶しましょう。
「この度は…」
でも構いません。
普段使い慣れない言葉を噛んで恥ずかしい思いをするよりも、
「この度は…」と語尾をアイマイにしたほうが良いかもしれません。
日本語はアイマイ、不明瞭、省略、誤魔化しに適した言葉ですから。
大事なのはお悔やみの気持ちを伝えることです。
英語ならI’msorry.またはI’m sorry for your loss.で簡単です。
日本語は普段使わない古めかしい言葉が残っていて厄介です。
もう少し言いやすい言葉として、
「お悔やみ申し上げます」
があります。
丁寧に言えば、
「この度は、誠にご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げます」
となります。
さて、通夜の場合は、各自焼香を済ませます。
告別式の場合は、案内に従って順に焼香をします。
焼香の方法
右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香(まっこう)をつまみ、目の高さまで持ち上げます。指をこすりながら抹香を香炉の中に落とします。これを1~3回行います。
焼香には、
立礼焼香(りつれいしょうこう)
座礼焼香(ざれいしょうこう)
回し焼香(まわししょうこう)
の3種類があります。
焼香の方法
立礼、座礼
- 焼香の順番がきたら、前に出て、遺族に一礼します。
- 焼香台の一歩手前まで歩き、祭壇を見て合掌、一礼します。
- 抹香(まっこう)をつまみ、香炉の中へ落とす、を1~3回繰り返します。
- 改めて遺影に向かって合掌、一礼します。
- 遺影を見たまま、二、三歩下がり遺族に一礼、席に戻ります。
回し焼香
- 香炉が回ってきたら、軽く礼をして受け取ります。
- 香炉を自分の前に置き、仏壇(祭壇)に向かって合掌します。
- 抹香をつまみま、落とす、を1~3回繰り返します。
- 合掌してから一礼。
- 次の人に香炉を回します。。