昨日、新学年が始まる大学での健康診断で身長測定をした息子が、と言いました。
「身長が2センチ縮んだ」
「身長は朝と夜でも変わるからね」
「えっ、そうなの」
「1センチくらい変わるって言うよね」
「そんなに変わる?」
てなやりがあって、ググってみました。
すると、「Yahoo! 知恵袋」に、
「朝と夜の身長差が、2.2cmもあるのです!
毎日こんな感じです」
「どぅしてこんなに朝と夜で身長が違うのでしょう?何が原因なんでしょうか?」
と20代女性の質問があげられていました。
朝と夜で2センチも違うとはビックリです。
そこでなぜこうも違いが出るのか調べてみました。
(余談になりますが、息子の話では、今って身長と体重が同時に測れるんですってね)
23の椎間板が伸びたり縮んだり
朝と夜で身長に差が生じる原因、
それは、
椎間板(ついかんばん)。
ではなぜ椎間板が原因で、身長の測定結果が変わるのでしょうか。それは、朝起きてから活動することにより、重力によって椎間板が圧縮されるからなのです。
背骨は、1本の骨ではなく、骨盤の上に、椎骨(ついこつ)という骨が24個が積み重なってできています。
それによって、全体が滑らかに曲がったりねじれたりすることができます。
椎骨と椎骨の間に挟まっているのが、椎間板。
これは弾力性のある組織で、背骨にかかる重さを支えるクッションの役割を果たします。
椎間板は、外側を「線維輪(せんいりん)」という硬い組織が囲み、その中に、ゲル状の成分が詰まっています。
この中心部が「髄核(ずいかく)」。
これがクッションの本体です。
髄核は、吸水性が高い成分で出来ていますが、ここに活動などで圧力がかかると、水分を放出して縮み、就寝などで圧力から解放されると再び水分を吸い込んで膨らみます。
ですから、朝には身長が高くなっているというわけです。
起きているときは椎間板が圧迫されるので、髄核が水分を放出して身長は縮みます。
計算すると、一つひとつの椎間板の厚みが1ミリ程度変化すれば、全体で2センチ以上変わることになります。
24個の椎骨ですから、その間にある椎間板は23個。
1個の椎間板が1ミリ縮んだと仮定すると
1mm x 23=23mm
つまり2センチ以上も差が生じることになるのです。
宇宙飛行士が宇宙から帰ってくると、重力がない場所で過ごしたため椎間板が膨張し、身長が4~5センチも伸びることがあるそうです。
椎間板を若く保つ秘訣
椎間板の弾力は、年齢とともに悪くなっていくため、重力による厚みの変化の幅も狭くなり、高齢になるほど朝晩の身長差は少なくなるそうです。
つまり、老化すると朝晩の身長差はなくなるということ。
若者ならではの現象ということになります。
髄核に含まれる吸水性のゲル成分は、加齢とともに減っていき、水分を吸って膨らむ力も弱くなります。
椎間板は、変形や障害も起きやすくなり、椎間板の一部が背骨の外に飛び出てしまうと「椎間板ヘルニア」になります。
椎間板の負担を減らすには、なるべく横になっているほうが良いのかというとそうでもないようです。
椎間板は、膨らんだり縮んだりしながら、内部の水分を循環させることで酸素と栄養の供給を行なっており、横になってばかりでは、椎間板の老化が進んでしまいます。
椎間板を若く保つ秘訣は、同じ姿勢を続けず、体をこまめに動かし、椎間板に圧力をかけては休め、伸縮させることです。