フェアトレードの工芸品が売れないと聞きましたが、なぜですか。ささやかながら支えたいと思いますが自分にできることはありますか?
フェアトレードは1960年代からヨーロッパを中心に広まり、近年では年々売り上げを伸ばして来ました。
ところが最近、ある団体の工芸品の売上が急減しているのだとか。
原因は何なのか、私たちが力になれる方法などを解説します。
フェアトレードとは
ピンチの原因を説明する前に、フェアトレードをご存知ない方のために、簡単に触れます。
フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。
引用元:フェアトレードジャパン
フェアトレード(Fair Trade : 公平貿易)とは、発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組みです。従来の一方的な国際協力・資金援助は、援助する側の都合によって左右され、継続性に欠けるという問題点がありました。それに対し、フェアトレードは、私たち消費者が自分の気に入った商品を購入することでできる、身近な国際協力のかたちです。
引用元:WAKACHIAI PROJECT
コーヒーに例をとってみましょう。
コーヒー生産国のほとんどは、いわゆる開発途上国ですが、コーヒー豆の買取価格は、ニューヨークとロンドンの国際市場で決められています。
コーヒー豆の国際市場は投機マネーなども流入し、時に高騰したり暴落したりと価格が激しく変動します。
そのため、小規模農家たちの多くは中間業者に頼らざるを得ず、十分な利益を得られず、不安定な生活を余儀なくされています。
子どもを学校に通わせることさえままなりません。
フェアトレードによって、市場と直接つながり、その利益によって地域社会を発展させていくことができるようになっています。
「国際フェアトレード基準」では、「フェアトレード最低価格」が定められており、国際市場価格がどんなに下落しても、輸入業者は「フェアトレード最低価格」以上を生産者組合に保証しなければいけません。
これによって、生産者は生産を持続し、最低限の生活ができるようになります。
フェアトレードの歴史
フェアトレードはヨーロッパを中心に1960年代から広まりましたが、理解のある限られた市民による消費者運動でした。
一般のマーケットとの接点はなく、貿易額も限られていました。
そこで、一定の基準に基づき、フェアな値段で国際市場の取引に参入するため、考え出されたのが「フェアトレードラベル運動」です。
フェアトレードラベル運動は、1988年にオランダ(組織名:マックスハベラー)から始まり、その後、1992年にドイツ(組織名:トランスフェア)を中心に、ヨーロッパが広まっていきました。
1997年には、世界各国にあるフェアトレードラベル運動組織が1つにまとまり、FLO( Fairtrade Labelling Organizations International )「国際フェアトレードラベル機構」という国際ネットワーク組織が設立されました。
世界的に統一した基準を作り、基準をクリアした商品にのみ、フェアトレードラベルがつけられるようになりました。
それによって、それまで一般のマーケットに広げにくかった、フェアトレード商品のマーケットシェア拡大が可能になりました。
現在FLO加盟国は、ヨーロッパほぼ全域、アメリカ、カナダ、日本の計30ヶ国にわたります。
国際フェアトレード認証を取得している生産者組織は、75カ国1,599組織、160万人以上もの人々が国際フェアトレード運動に参加しています。
フェアトレードの製品は、3万点以上の製品が世界150カ国以上で販売されています。
フェアトレードの問題点
フェアトレードに問題がないわけではありません。
下記のような問題点が挙げられています。
- 他の類似商品と比べて価格が高い。大量生産が難しく、支援団体も資金力が乏しいところが多いためコストがかかる。
- 価値観や品質についても生産者と消費者の間で齟齬がある。工場生産品と違い基本的に手作りであるため、品質が安定しない。特に日本向けの商品は市場で受け入れられるだけのレベルに達していないこともある(日本人消費者の特徴として、商品の品質そのものには関係ない、あるいは問題ないレベルの傷や外装の凹みでも不良品と見なし即クレームを入れるため)。デザインについても、消費者の好みに合ったものが作られないこともある。
- フェアトレードを導入した企業の全て商品がフェアトレード商品なわけではない。例えば、2007年時点でのスターバックス・コーヒーが購入したコーヒーのうち、フェアトレード認証を受けたコーヒーは全体の3パーセントだった。この現象は、フェアトレード認証を受けるべき対象が零細農家であるため、企業の膨大な需要を満たすことはできないことが一因となっている。近年、フェアトレード認証の対象規模が緩和される傾向があるが、運動の理念にとって正しいかどうか悩ましい問題である。
引用元:フェアトレードジャパン
フェアトレードのメリット
しかし、デメリットを上まわるメリットが、フェアトレードにはあります。
フェアトレードのメリット
\フェアトレードとは何かが分かるYouTube動画/
フェアトレードショップ「クラフトエイド」
アジアで教育支援を行う国際協力団体「シャンティ国際ボランティア会」が運営するフェアトレードショップに「クラフトエイド」があります。
「クラフトエイド」は、アジアに暮らす山岳少数民の伝統技術を使った手仕事による服飾雑貨やアクセサリー、小物雑貨を中心に販売しています。
タイ、ミャンマー、カンボジア、アフガニスタン、ラオスなどさまざまな国の手刺繍や手織り、手染めの商品が楽しめます。
売上がアジアの学校や図書館を作る資金に
「クラフトエイド」の商品は、工場での大量生産と違い、ひとつひとつ手仕事で作っています。
アソート(組み合わせ)の商品が多く、特別感あふれる商品を取り揃えています。
また、海外各国のNGOパートナーと一緒にモノ作りを行っています。
売上は少数民族の家族の収入向上に貢献しています。
また、「シャンティ国際ボランティア会」の活動を通して、アジアでの小学校建設や図書館活動のための資金として使われています。
フェアトレードの一角が危機に瀕している理由
1981年からアジアの国々で子どもたちへの教育支援を行っているNGO「シャンティ国際ボランティア会」。
が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、年間の売上の半数を占めていたイベントが中止になってしまい、売上が急減してピンチだそうです。
このままだとアジア各国の山岳少数民族を中心とした生産者の方々への継続的な支援が出来なくなってしまいます。
フェアトレードの活動を救うために
ここまでで、フェアトレードの意義はご理解いただけたと思います。
では、この非常事態時に、フェアトレードの活動を助けるには、どうしたら良いでしょうか。
誰でもできる一つの方法は、インターネットでフェアトレード商品を購入することです。
また、そのことを他の人に伝えることだと思います。
まとめ
1960年代にヨーロッパを中心に広まり始めたフェアトレード。
フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、
立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」です。
ところが毎年売り上げを伸ばしてきたこの運動の一部が今、危機に瀕しています。
アジアで教育支援を行う国際協力団体「シャンティ国際ボランティア会」が運営するフェアトレードショップに「クラフトエイド」がありますが、
売上のメインがイベントによるものでしたので、コロナ禍でイベントが開けないことが大きなネックになっています。
フェアトレードは素晴らしい考え方なので、この運動の炎を消さないようにしたいものです。
で、今私たちができることは何かと考えると、ネットショプでのフェアトレード商品の購入です。
賛同できるようでしたらフェアトレード商品の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
\フェアトレード商品のオンラインストア/