肺の深刻な損傷は電子タバコのせい?
AFPによると、
米国の複数の州で、電子たばこを吸ったことで、
肺が深刻な損傷を受け、入院する事例が相次いでいる。
患者は10代の若者を中心に数十人に上り、
米保健当局が調査を進めているが、明確な原因はまだ判明しない。
イリノイ州、ミネソタ州、ウィスコンシン州の3州保健当局は、
複数の人たちがせきや息切れ、めまい、倦怠(けんたい)感などの症状を訴えて入院し、
気管挿管を受ける事例が続出していると発表した。
3州30件 他州でも同様の事例と米メディア
これまでに確認された同様の事例は、3州合わせて少なくとも30件で、22件は調査中だという。
3州保健当局は、関連性の有無を判断するには時期尚早だとしつつも、
3州で連携し、米疾病対策センターの協力も得て、さらに調査を進めていると明らかにした。
現時点で判明している患者間の共通点は「電子たばこ」だけ。
だが、見落としがないよう、より広範囲にわたって調べていく方針だ。
米メディアは、他にも複数の州で同様の事例が報告されていると伝えている。
米国では2006年から電子たばこの販売が解禁された。
これまでの科学的研究で電子たばこは通常のたばこよりも害が少なく、
通常たばこの代替品となり得るとされてきたため、
今回の一連の事例は専門家を始め、関係者にショックを与えている。
電子たばことは?
電子たばこ(でんしたばこ、英語: Electronic cigarette, e-cigarette, e-cig)とは、乾燥葉や液体をマイクロプロセッサで制御された電熱線の発熱によりエアロゾル(霧状)化して、利用者に吸引させる喫煙具である。
英語圏では、装置はヴェポライザー(英語版)とも呼ばれ、電子たばこによる吸入を俗にVape(発音:veip:ヴェイプ)と呼ぶ。専門用語では電子ニコチン送達システム (Electronic nicotine delivery systems, ENDS)。
用いられる液体は、プロピレングリコール、グリセリン(グリセロール)、水、香料からなり、ニコチンを追加することもできる。
2008年頃から日本においてもメディアなどで取り上げられている。日本ではニコチンを含有する電子たばこ用の液体は、薬事法にて医薬品とされるため主に日本国外から個人輸入が可能で、国内では販売されていない。
そのため日本ではタバコ葉の成分を摂取するプルームや、iQOS(アイコス)といった製品が販売され電子たばことして取り上げられているが、こちらは主に電子たばこではなく加熱式たばこにて分けて記載する。
日本での路上での使用の可否は自治体によって異なる。たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約がその第1条で、たばこ製品として対象にしているのは、葉タバコを原料とした製品であることからも、この両者は異なる。
有害性については、様々な議論があったが、世界保健機関は、電子たばこや加熱式たばこは健康上のリスクを減らすわけではなく有害であるとする報告書を発表し、紙巻きたばこと同様に規制を行うべきとの見解を示している。
出典:Wikipedia