アラカンとは、言うまでもなく「アラウンド・還暦」、つまり60歳の還暦前後の人を指します。
でも、そもそも還暦とは何でしょうか。
この言葉、正しい意味も分からず使っていませんか。
本当の還暦は満61歳
還暦(かんれき)とは干支(十干十二支)が一巡し誕生年の干支に還ることを意味します。
本来は、生まれた年に60を加えた年が還暦です。
今は単純に60歳の誕生日を還暦として祝うことが多くなっています。
昔は還暦と言えば赤い帽子と、ちゃんちゃんこ。
家族などの周りの人が、赤いちゃんちゃんこや帽子を贈り、祝いました。
今では廃れてしまった習慣ですね。
昔は赤ちゃんが生まれた時は、赤い産衣を着せました。
赤ちゃん、赤児、赤ん坊などの呼称は、これに由来すると言われています。
赤色は、魔除けや邪気を払う色とされていました。
還暦祝いで赤色の衣装を身につけたのは、干支が一巡し、清らかな誕生時に還るという意味がありました。
干支は十二支ではない
還暦の元になっている干支について復習してみましょう。
干支(かんし、えと)は、中国の商(殷)代を起源とする、十干と十二支を組み合わせた60を周期とする数詞で、暦だけでなく、時間、方位などにも用いられます。
十干は甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)の10種類からなり、十二支は子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)の12種類からなっており、これらを合わせて干支と呼びます。
10と12の最小公倍数は60なので、干支は60回で一周します。
ここから還暦という言葉が生じます。
中国を初めとして華僑の多いアジア諸国等において、年・月・日・時間、方位、事柄の順序を表すのにも用いられ、陰陽五行説とも結び付いて、さまざまな卜占にも応用されました。
干は幹・肝と、支は枝・肢と同源と言われ、日本、朝鮮半島、ベトナム、ロシア、東欧などに伝わったと言われています。
日本では「干支」を「えと」と呼んで、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)のみを指すことが多いのですが、「干支」は本来、十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と十二支の組み合わせを指す語ですから、十二支と干支を混同した誤りです。
まとめ
難しい話はともかく、還暦とは、干支が一巡し、生まれ変わることを意味しています。
今までの人生をリセットして、新たな出発をする時とも解釈できます。
さあ皆さん、生まれ変わって新たな旅立ちの始まりです。