マクロビオティック桜沢如一の愛弟子・田中愛子さんを偲ぶ

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17歳からマクロビオティックの世界に入り、指導者として活躍してこられた田中愛子さんが、2018年の2月13日、93歳でこの世を去られました。

私は長い間、「愛子さん」と呼んで親しくおつきあいさせていただいていました。とても素敵な方でした。

東京タワーが見える会席料理の店、「とうふ屋うかい」の庭に立つ田中愛子さん
誕生日のお祝い。青山のレストランにて
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身土不二、陰陽調和、一物全体

17歳からマクロビオティックの世界に入り、指導者として活躍してこられた田中愛子さんが、2018年の2月13日、93歳でこの世を去られました。

私は長い間、「愛子さん」と呼んで親しくおつきあいさせていただいていました。とても素敵な方でした。

11月25日は、愛子さんのお誕生日。
何度も、2人で食事して、お祝いしたのを懐かしく思い出します。

今はマドンナやトム・クルーズなど著名人が実践して、有名になったので、マクロビオテックをご存知の方は多いと思いますが、玄米菜食を軸とした長生法です。

桜沢如一氏が古来からの食養法を発展させ提唱したマクロビ

1928年ごろ、故・桜沢如一氏が古来からの食養法を発展させて提唱しました。

身土不二、陰陽調和、一物全体といった理論があります。

身土不二とは、地元でとれた旬の食材が健康に良いという意味です。

今は、世界中から様々な食材が輸入され、いつでも食べられますが、本来、食物はその土地、気候にあったものがとれ、それが身体に合っているとされます。

たとえば、緑茶は初夏に新茶が取れますが、身体を冷やす働きがあるので、暑くなる時期に緑茶を飲むのは理にかなっています。

でも、冬に緑茶を飲むのは、冷えた身体をより冷やし、病気の原因となる危険性があります。

今のように、緑茶を真空パックなどで保存できなかった時代は、冬になると味の落ちた緑茶を焙じて、ほうじ茶にしました。そうすると、陰が陽に転じて、身体を温めることができます。

それが陰陽調和でもありますね。

病気は陰陽の調和の乱れ

マクロビオテックでは、病気は陰陽の調和の乱れと考え、食物を陰と陽に分けて、身体の陰陽のバランスを取ろうとしています。

玄米を推奨する理由は、玄米が完全栄養食だというだけでなく、陰でも陽でもない中庸だということがあります。

桜沢氏は、陰陽のテクニックを駆使して、多くの難病患者を救いました。

病気の原因は陰陽のアンバランスにあると考え、陽性に偏った人には陰性の食事、陰性に偏った人には陽性の食事を勧めました。

けれどその食事を長く続けると、どこかで陰陽が逆転してしまいます。
その見極めが難しいです。

その点、玄米食であれば、中庸ですので、時間はかかりますが、続けていれば、いずれ中庸になるというメリットがあります。

愛子さんとマクロビの出合い

愛子さんがマクロビオテックの世界に入ったのは、お母様の病気がきっかけだったと聞きました。

資産家だった愛子さんのお父様は、ドイツから医者を呼び寄せたり、最先端の西洋医学と栄養学で妻の病気を治そうとしましたが、悪くなる一方だったそうです。

そんな時に、人から紹介されたのが桜沢氏でした。

桜沢氏の指導を受けて、良かれと思ってやっていた高価な薬や、栄養たっぷりの食事が、逆にお母様の身体を痛めつけていたことを知り、大きな衝撃を受けたそうです。

それからマクロビオテックの理念にしたがって食生活を変えましたが、残念ながらお母様は手遅れで、亡くなってしまわれたそうです。

しかし、マクロビオテックは愛子さんの命を救いました。
愛子さん自身、虚弱体質で、20歳まで生きるのは難しいと医者から言われていたのだそうです。

それがマクロビオテックを知って、虚弱体質は極陰である砂糖の取りすぎが原因だと気づいたといいます。

愛子さんだけでなく、姉たちも皆、虚弱でしたが、マクロビオテックで家族中が健康になったそうです。

愛子さんは17歳で桜沢氏に弟子入りし、日本人のパスポート第1号を手にヨーロッパへ渡り、マクロビオテックの普及に努めました。

お嬢様育ちなのに芯が強くどこか浮世離れした言動

愛子さんが、「デートしましょ❤️」と誘ってくださって伺ったお話は、本当に楽しいミラクルワールドでした。

きっと当時は辛かったと思いますが、苦労を笑い話に変えて話してくださいました。

お嬢様育ちでそのくせ芯が強く、どこか浮世離れした言動からか?「マクロビオテックの妖精」と皆に慕われた愛子さん。

成人できないと言われた虚弱な少女は、小さな身体で世界を駆け巡り、93歳まで生きて使命を全うしました。

今ごろ本当の妖精になって、楽しく遊んでいるかもしれません。

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